フェミニズムはみんなのもの!

服飾も恋愛も「好き嫌い」では済まない -「非モテ」即ち「ミソジニー」という短絡に辟易(Niemals-Gasse)
http://d.hatena.ne.jp/Leiermann/20060316/p1

というエントリを発見。「当blogに対してのコメントかしらコレ。ちょうどタイムリーな話題だし……」と思い、ブックマークでコメントを付けたら、ご本人から「あなたのblogに関してではありません」という趣旨のコメントをいただきました。ありがとうございます&わざわざすみません>Leiermannさん
上記のエントリにインスパイア*1されてフェミニズムの話を書きかけだったのですが、id:Leiermannさんの上記コメントを読んだ上で、このままアップしても支障ナシと思ったので書きかけエントリを若干改稿した上で載せます。前置きが長くなりましたが、ここからが本文。

「弱い女」の味方であったフェミニズムが「強い男」と一緒になって「弱い男」を攻撃するのは全く理解不能です。「弱肉強食」の構造自体を解体するのがフェミニズムの使命だったのではないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/Leiermann/20060316/p1

ご指摘の通りです。個人的に、フェミは女性のみならず男性をも楽にする学問だと思っています。(女性だけの物じゃないから「フェミニズム」じゃなくて「性差学」とかそういう名前にした方がいいかもしれないんじゃないかなー。素人考えですけどね)が、現在のフェミニズムは「強い女」を庇う方向に特化されていて、私みたいな「ダメ女」にはあんまり有効じゃないみたいだ(苦笑)
例えば……「自由恋愛!」とか言われても、それ以前に恋愛の機会すらない。とか。「恋愛するにはコミュニケーションスキルを磨け!」(上野千鶴子)とか言われても、「コミュニケーションを磨く機会自体がないんだよ!」みたいなー(<小谷野敦もてない男』での有名なやりとり)

「女」が救われるためには「弱い男」を生贄に捧げて構わないというのが「フェミニズム」なのであれば、「フェミニズム」自らが「ミソジニー」ならぬ「ミサンドリー」 (misandry, 男性嫌悪) の罠に陥っているとしか言いようがありません。
http://d.hatena.ne.jp/Leiermann/20060316/p1

他の思想と同じく、「フェミニズム」とひとことで言っても一枚岩じゃないんです。「男憎し!」のフェミさんもいらっしゃる印象はあります。(特に、日本で目立ってるフェミニストの人はそんな感じかもね……)私自身もそのように思ってた時期がありましたが、今は男性にもマトモな人もいるって分かってるから大丈夫です。

そんな私ですが最近はベル・フックス(黒人フェミニスト)のフェミニズム論に興味があります。彼女は「男が悪い!という二元論」を否定するフェミニスト

彼女はフェミニズムを「性にもとづく差別や搾取や抑圧をなくす運動」と定義します。そしてそれは男性から女性へという一方通行的なものではなくて、女性自身の中にもあるものだと考えます。同性同士でも、親子間でも支配関係は存在するので、非難すべきは男性だけではないということです。

ベル・フックス著『フェミニズムはみんなのもの−情熱の政治学』なせばなる…!?

「男性は敵」なのか?

こうした「白人・中産階級フェミニズム」の「反男性的スタンス」は、なによりもせっぱつまった生活上の必要から男性とかかわらずにいられない圧倒的大多数の女性たちをフェミニズムから遠ざけ、男女の相互関係の変革の可能性をとざしてしまい、また、ともに闘うべき男性の参加を拒絶してしまった、と批判する。
そして、男性と抵抗運動をわかちあった体験をもつ黒人女性は、反男性的な白人ブルジョワフェミニズムに共感しなかったが、それは、黒人男性から性差別を受けているという現実を認識しないからではなく、男性と共有する闘いがあること、また、性差別的抑圧のもとで男性もまた傷ついていることを知っていたからだ、と言うのである。
(中略)
「男性は、性差別によって搾取されたり抑圧されたりするわけではないが、その結果として苦しむことがある。この苦痛を無視してはならない。男性が経験する苦痛は、男性の女性への虐待や抑圧の深刻さを軽減するわけでもないし、搾取的な行為にたいする男性の責任を相殺するものでもないが、それは変革の必要性に気づくための触媒となりうる」

ベル・フックスと日本の女たち(WEB女と男)

引用部分多めですみません。でも、この目から鱗が落ちまくりな文章を皆さんに読んで欲しかったんだよー!フェミニズムは女だけのものじゃなくて「みんなのもの」だっていう事!こういうフェミニストの人もいるんだってこと、もっと知ってもらいたいー。


「男性」「女性」に限らず、嫌うのにおいても性別でなく、個人差で嫌いたいものです。好きになるも嫌いになるも、それが平等ってヤツよ。

*1:今この単語を使うのは危険か……?(笑)