旅人の論理

(上のエントリの続きです)この『私とハルマゲドン』にある「ケンカの時は相手の土俵に乗らない」ことと「旅人の論理」が特に好きで……。ネット上に「旅人の論理」の部分の文章があったので以下引用。

 人間が生活するためには、結局なんらかの組織に依存する仕組みになっている。完全な自由(わずらわしい人間関係からの解放)なんてものは、幻想だということだ。(略)

 その頃、おれは東京芸大によく遊びに行っていた。(略)そのとき偶然ながら、文化人類学者・西江雅之氏の授業を聴いたのである。(略)
「あなたたちは芸術家の卵だから、自分を取り巻いている鉄格子のような価値観から逃れて自由になりたいと思っているでしょう。(略)では、その檻を出たらどうなるのでしょうか。そこにはきっとまた別の檻があります。この檻がすなわち文化です。人間社会というのはジャングルジムのように文化という檻が無限に連鎖している。人間が人間である以上、そこから脱出することは不可能です。では、そこで自由を求めるならどうすればいいのか。唯一、人間に許された自由を享楽する方法は、そのいくつもの檻と檻の間を行き来することです。檻から脱出することは無理でも、檻から檻に移動することは可能です。つまり、旅人になるのです」
 これこそは以後のおれに決定的な影響を与えた「旅人の論理」である。
http://www.netcity.or.jp/otakuweekly/PRE0.9/TR8.html

「いつでもこのフレーム(檻)を移動できるんだ!という視点が大事」ということ。